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2008.08.18

地名

  目の玉の重さを胴で釣り合わせとんぼは結局水平に飛ぶ
                         京都市  才野 洋
 朝日歌壇(8/18)に載っていた歌である。面白いところを見ていて、詠んだ才野さんという方の人柄まで髣髴させる。『昆虫の世界へようこそ』(海野和男著・ちくま新書)に、昆虫の体重が書いてある。とんぼの仲間ではアキアカネが体長4cm、重さが0.27g、取り上げられている26種の昆虫のなかで、体長比で一番軽い。これを身長170㎝の人間にすると、体重は21kgというやせっぽちとなる。むべなるかな、とんぼの飛翔能力。
  生徒見る目の険しさを同僚の我の顔見る視線で気づく
                   北海道伊達市  今 奈奈
 この方の歌は他に、それぞれちがった二つの歌が選ばれている。三人の選者から三つの歌が選ばれるというのはかなり珍しいこと。今さんは多分うれしくて、新聞片手にバンザイを叫びたくなる1日であったろう。
 京都市とか伊達市というのは分かる。ところが投稿者の住所で分からないのがある。平成の大合併の所為だ。さくら市と書かれているが、どこにあるのかまるで分からない。千葉県の佐倉市ではあるまい、というので調べると、栃木県にあって氏家、喜連川の両町が合併してできた市らしい。二つの町とも由緒ある名前なのに、どうしてさくら市なんていうへんてこりんな名前にしちゃったんだろう。奥州市という名前もある。これは奥州平泉なんていうから、平泉町が近隣と合併して市になったのかと思ったらちがった。平泉の北、水沢市や江刺市などが合併して出来た人口13万人の市だった。まあこれはどの辺であるかは分かるからまだ良い。俳句の方ではさぬき市というのがある。讃岐の何処かの町の合併だろうし、香取市も水郷あたりの自治体が集まっての新市名だろう。短歌、俳句の投稿とは関係ないが、小田原の隣といってもよい伊豆市と伊豆の国市、これがどっちがどっちだか分からない。修善寺はすぐ分かる。韮山もすぐ分かる。市になったとたん、分からなくなってしまった。
 市の名前ではなく、市のなかの町名、小田原市でいえばかつて十字町とか山王とか多古などという地名があった。20年前だか30年前だかに東町、南町などという新しい名前がつけられたものの、今もって東町といわれてもピンとこず、旧町名をいわれてアアあそこかと分かる始末だ。
 これは7月7日の朝日歌壇に載った小田原の田口誠一さんという方の歌。選挙で新しい市長が生まれたが…。
  花束を手に初陣の市長消ゆ負債山なす庁舎の闇へ

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