若松孝二・足立正生
若松孝二の名前を珍しくも朝日夕刊で見た。ピンク映画の巨匠を「良識」ある大新聞が載せることなんかまずないこと。米国の音楽家であるジム・オルークという人が、若松孝二の映画に惚れたという記事。「『天使の恍惚』は200回以上見た。ヒロインが国会議事堂に突っ込み、富士山の映像が交錯するクライマックスは、今まで見た映画の中で最高。強大な壁に対する激しい怒りと無力感を同時に、しかも詩的に表現している」
70年代初めに上映されたこの映画は、過激派=新左翼の敗北・崩壊していく時期と重なる。この崩壊のなかで、映像を武器に闘っていたのが若松孝二や足立正生、佐々木守達であった。松田政男の編集する当時最もラジカルな雑誌であった『映画批評』に、彼らと共に竹中労や平岡正明等が筆を寄せていた。大島渚と竹中労のケンカもこの雑誌で行われたっけ。
新聞記事によれば、船戸与一や四方田犬彦、そしてジム・オルークも支援に加わって、若松孝二は新しい映画、連合赤軍のドキュメンタリー製作に向けて準備を進めているという。
一方、足立正生も中東・パレスチナを背景とした新しい映画、(『13月』)に取り掛かったと聞いていたが、資金不足で製作が先に伸びるという。その代わり、『幽閉者=テロリスト』という作品に着手するということで、ブランキやネチェーエフが登場するというからどんな映画になるのか楽しみ。(この間の事情については「映画「13月」の公式サイトを)
この時代に、若松孝二や足立正生がどんな映画を見せてくれるのか、一寸不安でもある。
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